【完全保存版】色の名称と伝統色一覧|由来とカラーコード徹底解説
日常の風景の中でふと目にする美しい青や淡いピンク。単に「あお」「ピンク」と呼ぶだけではこぼれ落ちてしまう繊細なニュアンスを、日本語は千年以上も昔から「縹色(はなだいろ)」や「鴇色(ときいろ)」といった情趣あふれる言葉で表現してきました。Webデザインやイラスト制作、ファッション、推し活などの現場において、正確な色の名称やカラーコードを理解することは、自らの感性と言葉の解像度を劇的に高める武器となります。
色彩の世界は、歴史的な由来を持つ和名だけでなく、国際規格である英語表記やJIS規格、さらには現代のSNSカルチャーを席巻するくすみカラーまで多岐にわたります。本稿では、意外と知らない伝統色の成り立ちから実務で即座に役立つRGB・HEXコードの対照データ、色彩心理学に基づく配色パレットの構築手法まで、体系的に詳しく紐解きます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:「縹色」は藍染の明暗を表す古代の青、「鴇色」は絶滅危惧種トキの美しい風切羽に由来する優美な桃色である。
- 要点2:日本の色名はJIS(JIS Z 8102)で269色の慣用色名(和名147色・外来語122色)として厳密に規格化されている。
- 要点3:Web制作やデザイン実務では、名称の情緒だけでなくHEX(16進数)やRGB値の特性を正しく把握した運用が不可欠である。
「縹色」「鴇色」って何色?日本の伝統色・和名の由来と意味を紐解く
日本の伝統色には、草木や花、鳥、鉱物など、自然の移ろいをそのまま写し取った美しい和名が数多く存在します。なかでも代表的な「縹色」と「鴇色」は、日本の染色技術と生態系が深く結びついた象徴的な色名です。
「縹色(はなだいろ)」は、ツユクサ(鴨頭草)の花汁や藍を用いて染められた、清涼感のある鮮やかな青色を指します。古代日本においては藍染の濃淡によって階級や色名が細かく分類されており、薄い方から「浅葱(あさぎ)」「縹(はなだ)」「藍(あい)」「紺(こん)」へと深化していきます。『万葉集』にも数多く詠まれているように、古くから庶民から貴族まで幅広く愛された日本を代表する青の原点です。
一方の「鴇色(ときいろ / 朱鷺色)」は、国際保護鳥に指定されている鳥「トキ(Nipponia nippon)」が羽ばたく際に見える、風切羽の裏側の淡く黄みがかったピンク色に由来します。江戸時代には、この優美で温かみのある桃色が女性の着物の裏地や下着、小物の染め色として大流行しました。生物の生命力をそのまま色名に宿らせる日本人の観察眼の鋭さが伺えます。
江戸時代中期には、幕府による奢侈(しゃし)禁止令によって庶民の派手な着物が厳しく禁じられました。町人たちはこの制約を逆手に取り、茶色と鼠色の中にわずかな色合いの差を見出す「四十八茶百鼠(しじゅうはっちゃひゃくねずみ)」という高度な美意識を開花させます。「利休鼠」「団十郎茶」「梅幸茶」など、当時の歌舞伎役者や茶人の名を冠した豊かな色の名称群は、制限の中で文化を昇華させた日本人の美の結晶といえます。

【実態検証】JIS規格の慣用色名と現場で多用されるカタカナ色名の対照データ
工業製品や印刷、デジタルデザインにおいて色の共通認識を持つため、日本産業規格では「JIS Z 8102(物体色の色名)」を策定しています。ここには和名147色、外来語(カタカナ)122色の計269色が「慣用色名」として定められており、厳密なマンセル値とともに定義されています。
Webやアプリのデザイン現場、DTP印刷の現場で頻繁に指定される主要な伝統色とカタカナ色名、そしてデジタル制作に欠かせないカラーコード(HEX / RGB)の対照データをまとめました。
| 色の和名 / カタカナ名 | カラーコード(HEX / RGB) | JIS規格上の分類・系統色名 | 由来と実務での活用評価 |
|---|---|---|---|
| 縹色(はなだいろ) | #2792C3 RGB(39, 146, 195) | JIS慣用色名(和名) つよい青 | 藍染の中位の青。知的で清澄な印象を与え、コーポレートサイトの基調色に最適。 |
| 鴇色(ときいろ) | #F4A7B9 RGB(244, 167, 185) | JIS慣用色名(和名) 明るい黄みの赤 | トキの風切羽に由来。上品な柔らかさを持ち、コスメやライフスタイル媒体で高評価。 |
| 瑠璃色(るりいろ) | #1E50A2 RGB(30, 80, 162) | JIS慣用色名(和名) こい紫みの青 | 仏教の七宝の一つ「ラピスラズリ」の色。深遠な気品があり、高級感の演出に頻用。 |
| 琥珀色(こはくいろ) | #C89932 RGB(200, 153, 50) | JIS慣用色名(和名) くすんだ黄赤 | 天然樹脂の化石の色。ウイスキーやクラフト製品のブランディングで極めて高い人気。 |
| スモーキーモーブ | #A58F9D RGB(165, 143, 157) | 外来語(現代慣用) 灰みの赤紫 | くすみカラーの代表格。彩度を抑えた都会的なニュアンスで、UIデザインで重宝。 |
| バーントシェンナ | #8A3324 RGB(138, 51, 36) | JIS慣用色名(外来語) くすんだ黄赤 | イタリア・シエナ産の土を焼いた顔料に由来。温かみと重厚感を持つ定番の赤褐色。 |
デザイン・SNSで映える「くすみカラー」&「かっこいい色の名前」の正体
近年、インテリア、ファッション、Webデザインの領域で圧倒的な支持を集めているのが「くすみカラー(ダスティカラー / ニュアンスカラー)」です。原色にグレーやベージュを少量混ぜ合わせたような彩度の低い色合いは、視覚的な刺激が少なく、現代人の目に心地よい落ち着きを与えます。
例えば、緑系であれば「セージグリーン(#879B87)」、茶・赤系であれば「テラコッタ(#BD5338)」や「グレージュ(#D6C6B9)」が代表例です。これらは日本の伝統色でいう「利休鼠」や「灰桜」の美意識と直結しており、派手さを抑えながら洗練された世界観を構築する際に欠かせない選択肢となっています。
また、ゲーム制作、小説のキャラクターデザイン、ブランディングにおいて熱狂的な人気を誇るのが「かっこいい色の名前」です。重厚感と神秘性を兼ね備えた色名は、それだけで作品のトーン&マナーを決定づけます。
- 漆黒(しっこく / #0D0015):漆を塗った器のような、深く艶のある純粋な黒。
- 滅紫(めっし / #594255):高貴な紫を灰汁でくすませた、影のあるダークバイオレット。
- 深緋(こきあけ / #861B2D):茜と紫根で染め重ねた、深く重厚な真紅。古代の貴族社会における高官の位色。
- ミッドナイトブルー(#191970):真夜中の月光に照らされた闇夜を表す、黒に近い深い青。

色彩心理学の効果と配色見本カラーパレットの実用ノウハウ
色が人間の感情や行動に及ぼす影響は、色彩心理学において科学的に実証されています。Webサイトのコンバージョン率向上や空間デザインの最適化には、色の名称を理解するだけでなく、その色が放つ心理的効果を計算に入れた配色設計が欠かせません。
例えば、赤(真紅・カーディナルレッド)は脈拍を高め購買意欲や行動を促す「興奮色・進出色」であり、CTAボタンや緊急性の高い情報に適しています。対照的に、青(縹色・ネイビー)は副交感神経を優位にして鎮静作用をもたらす「沈静色・後退色」であり、金融機関や医療機関のコーポレートカラーとして信頼感を醸成します。
現場で失敗しないための「配色見本カラーパレット」を構築する際は、以下の70:25:5の黄金比率を徹底することが鉄則です。
- ベースカラー(70%):背景や全体の基調となる色。白、オフホワイト、淡いグレージュなど無彩色系が基本。
- メインカラー(25%):ブランドのアイデンティティを伝える主役の色。縹色やフォレストグリーンなど、狙う心理効果に合わせて選定。
- アクセントカラー(5%):ユーザーの視線を意図的に誘導する対比色。メインカラーの補色関係にある色(例:青に対する琥珀色やオレンジ)を配置。
一般に知られていない盲点とネットの誤解|英語の色名対照表と365日誕生色
色の名称をめぐっては、インターネット上でいくつかの決定的な誤解が散見されます。実務でトラブルを招かないために、プロとして押さえておくべき2つの盲点を解説します。
第1の盲点は、「日本の伝統色名と英語の色名は1対1で直訳できない」という事実です。例えば、「浅葱色(あさぎいろ)」と英語の「Cyan(シアン)」、あるいは「茜色(あかねいろ)」と「Crimson(クリムゾン)」は、一見似た色合いに思えますが、染料の原料や文化的な明度基準が異なります。安易に機械翻訳で色名を置き換えると、国際的なデザインプロジェクトで意図しない色ブレを引き起こす原因となります。
第2の盲点は、SNSで定期的にバズを生む「365日の誕生色(バースデーカラー)」の取り扱いです。生まれた日ごとに色が割り振られた誕生色は、自分や推しのキャラクターのパーソナルカラーとして楽しむエンターテインメント要素としては非常に優れています。しかし、これは公的な色彩機関やJIS規格が定めた公的基準ではなく、民間事業者や占星術的なアプローチによって考案されたものです。公式なプロダクトスペックや規格要件と同列に扱わないよう注意が必要です。

【プロの結論】色彩設計を仕事や日常に活かせる人・失敗する人の判断基準
色の名称を知ることは、単なる雑学の習得にとどまりません。それは「視覚情報を論理的かつ情緒的に言語化する能力」を手に入れることを意味します。
色彩の知識を日常や仕事で自在に武器にできる人と、逆に配色で失敗を繰り返してしまう人の決定的な違いは、「名前の情緒」と「数値的なカラーシステム」を両輪で捉えられているかにあります。
- 色彩を武器にできる人:「この青は少し緑に寄った縹色だから、温かみのある琥珀色をアクセントにしよう」と、名前が持つ文化的ニュアンスと色相環・RGB/HEXの数値を結びつけて思考できる人。
- 配色で失敗しやすい人:画面の見た目だけで「なんとなく綺麗だから」と感覚で選び、ディスプレイ環境(sRGBとDisplay P3の違い)や印刷特性(RGBからCMYKへの変換沈み)を無視して濁りを生んでしまう人。
色名の背景にある物語を知ることで、目の前のデザインや街の景色が持つ情報量は何倍にも跳ね上がります。感性とロジックを融合させることが、洗練された色彩表現への最短ルートです。
【色の名称】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:日本の伝統色は全部で何色あるのですか?
A1:文献や染織の流派によって諸説ありますが、一般的には400色〜500色以上存在するといわれています。そのうち日本産業規格(JIS Z 8102)では、広く認知され実用性の高い147色が「和名の慣用色名」として公的に規格化されています。
Q2:Webデザインで使う「HEXコード」と「RGB」の違いは何ですか?
A2:どちらも光の三原色(赤・緑・青)の配合度合いを示しますが、表記法が異なります。RGBは各色を0〜255の10進数(例:RGB(39, 146, 195))で表し、HEXはその数値を16進数6桁(例:#2792C3)に変換したコードです。CSSやWeb制作では簡潔なHEXコードが広く使用されます。
Q3:365日の誕生色はどこで調べられますか?
A3:誕生色(バースデーカラー)を扱った色彩関連の専門書籍や、カラーコーディネート関連のWebサイト等で確認できます。自分の誕生日の色名や色言葉(パーソナリティ)を調べることで、手帳やアクセサリー選びのインスピレーションとして活用されています。
Q4:「くすみカラー」と「アースカラー」は何が違うのですか?
A4:くすみカラーは明度や色相に関わらず「グレーが混ざった彩度の低い色」全般を指します。一方のアースカラーは、地球の大地、植物、空、海などの自然界に存在する色(ブラウン、カーキ、ベージュ、テラコッタ等)を指す概念であり、色のトーンだけでなく自然由来の色相であるかどうかに主眼が置かれています。
まとめ:日常の解像度を上げる色の名称と実践的な活用法
「縹色」の深い青、「鴇色」の柔らかなピンク、そして洗練されたくすみカラーの数々――。色の名称を知ることは、私たちが世界を認識する際の解像度を一段引き上げる行為に他なりません。
Web制作やクリエイティブワークにおいては、正確なカラーコードとJIS慣用色名の知識がプロフェッショナルとしての説得力を担保します。一方で日常においては、季節の草花や夕暮れの空に名付けられた和名に思いを馳せることで、日々の景色がより豊かで鮮やかなものへと変わっていくはずです。ぜひ本稿のカラーコードや対照表をブックマークし、あなたの表現やデザインワークに役立ててください。 (出典: 色 の 名称(Yahoo!ニュース))