イートウェルリブウェルの意味とは?味の素スローガンの誕生秘話と最新戦略
テレビCMの最後、親しみやすいメロディとともに流れる「イートウェル、リブウェル、味の素」という澄んだフレーズ。日本中のお茶の間で長年にわたり親しまれてきたこの合言葉は、国内最大手の食品・アミノ酸バイオ企業である味の素グループが世界共通で掲げるコーポレートスローガンです。
多くの人々の記憶に刻まれている一方で、「直訳するとどういう意味なのか」「なぜ味の素はこの英語メッセージを選んだのか」という背景や誕生の経緯まで深く知る人は意外と多くありません。単なる耳心地の良い広告文句にとどまらず、創業から100年以上にわたる理念の結晶であり、事業戦略の根幹を支える言葉の真意を紐解きます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:「イートウェル リブウェル(Eat Well, Live Well.)」は味の素グループのコーポレートスローガンで、「おいしく食べて健康に生きる」という創業以来の志を表現している。
- 要点2:1999年に制定された「おいしさ、そして、いのちへ。」を経て、グローバル展開を加速させる2000年代以降の共通指針として誕生した。
- 要点3:現在は独自の経営基盤「ASV(Ajinomoto Group Creating Shared Value)」のもと、食とアミノサイエンスを通じた健康・環境課題の解決を推進している。
【真相解明】イートウェルリブウェルはどこの企業?込められた意味と誕生秘話
「イートウェル リブウェル」は、味の素株式会社および味の素グループが掲げるグローバルスローガンです。英語表記は「Eat Well, Live Well.」であり、日本語に直訳すると「よく食べ、よく生きる」、意訳としては「おいしく食べて、健康で豊かな人生を送る」という意味を持ちます。
このメッセージの原点は、1908年の創業期にまで遡ります。創業者の一人である東京帝国大学教授の池田菊苗博士が昆布のうま味成分であるグルタミン酸を発見し、二代目の鈴木三郎助氏とともに「日本人の栄養状態を改善したい」という志から世界初のうま味調味料「味の素」を商品化しました。この「おいしく食べて健康づくり」という創業の原点が、100年以上の時を経てグローバル向けに再定義された姿こそが「Eat Well, Live Well.」なのです。
味の素の公式企業理念体系において、この言葉は単なる宣伝用の惹句ではなく、すべての事業活動の原点を示す「コーポレートブランド・ステートメント」として明確に位置づけられています。食品事業のみならず、医薬品原料やヘルスケア、半導体向け電子材料に至るまで、同社が展開するすべてのイノベーションを包括する思想となっています。

コーポレートメッセージの歴史と変遷|なぜ味の素はこの言葉を選んだのか
味の素の歴代コーポレートメッセージを振り返ると、時代の社会情勢や企業規模の拡大に呼応しながら進化を遂げてきた歩みが浮き彫りになります。
| 年代 | スローガン・メッセージ | 当時の事業背景と社会背景 | 編集部の見解・位置づけ |
|---|---|---|---|
| 1909年〜 | おいしく食べて健康づくり | 創業時。国民の栄養改善とうま味の普及が急務だった時代。 | すべての原点となる創業の志。ソーシャルインパクトの先駆け。 |
| 1999年 | おいしさ、そして、いのちへ。 | 創業90周年を契機に、アミノ酸による生命科学・医療領域への進出を強化。 | 「調味料の会社」から「いのちを支えるバイオ企業」への脱皮を宣言。 |
| 2000年代〜現在 | Eat Well, Live Well. | 海外売上高比率の急伸。世界共通のブランディングと理念統一が必要に。 | シンプルかつ普遍的。言語や文化の壁を超えて直感的に伝わる傑作スローガン。 |
1990年代末に策定された「おいしさ、そして、いのちへ。」は、同社のアミノ酸技術が人々の生命や健康を支えていることを情緒豊かに伝えた名コピーでした。しかし、アジアや中南米、欧米など世界各国への事業展開が加速するなかで、国境を越えて瞬時に共通の価値観を共有できるグローバル言語の必要性が高まりました。
そこで選ばれたのが、極めて平易な英単語のみで構成された「Eat Well, Live Well.」です。文法的な難解さを排除し、誰にでも直感的に理解できる言葉を選ぶことで、多様な文化的背景を持つ世界中の生活者や従業員に対して、一貫したメッセージを届ける体制を整えました。
CMサウンドロゴとナレーションの秘密|あの「声」と演出の舞台裏
「イートウェル リブウェル」がこれほどまでに国民的な認知度を獲得した背景には、テレビCMにおける計算されたサウンドロゴの存在があります。
CMのラスト数秒に挿入される「♪ Eat Well, Live Well. 味の素」というメロディは、音の高低差やテンポに至るまで、視聴者の耳に心地よい余韻を残すよう緻密に設計されています。映像の終わりに短く流れるだけで、ブランドの安心感や清潔感、家庭的な温もりを瞬時に呼び起こす効果を発揮しています。
CMナレーションの「声」については、放送される商品カテゴリーやキャンペーンごとに柔軟なキャスティングが行われてきました。長年にわたり味の素のイメージキャラクターを務める菅野美穂さんをはじめ、小栗旬さん、櫻井翔さん、永野芽郁さんといった各世代を代表する俳優陣が、自然体で温かみのあるナレーションを吹き込んでいます。
SNSやネット上のコミュニティでも「あの声を聞くと晩ごはんの支度を思い出す」「耳に残って思わず口ずさんでしまう」といった声が絶えず投稿されており、単なる広告演出を超えて日本人の日常風景に溶け込んだ音響資産(ソニックブランディング)として機能しています。

【実態検証】単なるキャッチコピーではない?味の素「ASV」と食と健康の課題解決
「イートウェル リブウェル」は、美しい言葉を掲げるだけのイメージ戦略ではありません。味の素グループの経営において、このスローガンは「ASV(Ajinomoto Group Creating Shared Value)」と呼ばれる中核戦略と完全に連動しています。
ASVとは、事業活動を通じて社会的な課題を解決することと、企業としての経済的価値の創出を両立させる取り組みです。同社が掲げる具体的なアクションには、以下のような柱が存在します。
1. 「おいしい減塩」へのアプローチ(Smart Salt)
過剰な食塩摂取は世界的な生活習慣病リスクの主因ですが、減塩食は「味が薄くて物足りない」という課題を抱えていました。味の素はうま味(グルタミン酸)や独自のだし技術を活用することで、おいしさを損なわずに塩分を最大30〜40%カットする技術を提供し、無理のない健康寿命の延伸を支援しています。
2. アミノサイエンスによる未病ケア・健康課題の解決
血液中のアミノ酸濃度バランスから将来の健康リスクを早期発見する「アミノインデックス」技術や、高齢者の筋力低下(サルコペニア)を予防するアミノ酸サプリメントの開発など、予防医学の観点から人々の暮らしを支えています。
3. サステナビリティと環境負荷低減
調味料の製造過程で生じる副産物を農地の有機肥料として還元する「バイオサイクル」の構築や、プラスチック使用量の削減、調理時のCO2排出を抑えるエコ商品の開発など、地球環境の保全に向けた実践を継続しています。
ネット上の誤解とファクトチェック|MSG論争を超えたサステナビリティの真実
うま味調味料をめぐっては、過去にインターネット上や海外の一部で「体に悪いのではないか」「化学的な合成物なのではないか」といった根拠の薄い言説が飛び交った歴史があります。
しかし、公的機関(WHO/FAO合同食品添加物専門家会議など)による国際的な科学的評価において、グルタミン酸ナトリウムの安全性は繰り返し確認されています。さらに、現代の味の素製品はサトウキビの糖蜜などを微生物の力で発酵させる自然由来のプロセスで製造されており、しょうゆや味噌と同じ発酵技術に基づいています。
同社は現在、グローバルな啓発活動「Know MSG」などを通じて科学的根拠に基づいた情報発信を粘り強く継続しており、アメリカや欧州の料理界でも「Umami(うま味)」は塩分を減らしつつ風味を引き出す調味料として再評価が進んでいます。誤解に対して事実で向き合い、食文化の発展と健康維持に寄与する姿勢こそが、スローガンに込められた誠実さを物語っています。
【プロの結論】パーパス経営の視点から読み解く味の素のブランディングと未来価値
近年の企業経営では、自社の存在意義を社会に問う「パーパス(志・存在理由)」が極めて重視されます。「イートウェル リブウェル」は、このパーパス経営を先取りした代表的な成功例といえます。
食品の「おいしさ(Eat Well)」を追求する快楽的な側面と、身体や地球環境の「健康・豊かさ(Live Well)」を追求する倫理的な側面。一見するとトレードオフになりがちなこの2つの価値を、アミノ酸のバイオサイエンス技術によって見事に調和させています。消費者にとっては、日々の食卓で味の素の製品を選ぶこと自体が、自身の健康管理と持続可能な社会への貢献に自然とつながる構造が築かれています。

【イートウェル リブウェル】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:イートウェル リブウェルの正しい英語のスペルと句読点は?
A1:正式な英語表記は「Eat Well, Live Well.」です。単語の頭文字が大文字で表記され、「Eat Well」の後にカンマ、「Live Well」の後にピリオドが入るのが正式なブランドガイドライン上の表記となります。
Q2:味の素はこのスローガンをいつから使い始めましたか?
A2:2000年代初頭のグローバルブランド再構築に伴い導入され、2017年のグローバルブランドロゴ変更時にも中心コンセプトとして改めて強調されました。創業時の原点「おいしく食べて健康づくり」を現代の英語表現へ昇華させたものです。
Q3:CMのサウンドロゴで流れるナレーションの声は誰ですか?
A3:CMに出演する俳優陣(菅野美穂さん、小栗旬さん、櫻井翔さん、永野芽郁さんなど)が作品ごとに担当しているほか、ブランド統一広告ではプロのナレーターによる落ち着いた声が採用されています。
Q4:味の素の「ASV」とは具体的にどのような意味ですか?
A4:「Ajinomoto Group Creating Shared Value(味の素グループ共有価値創造)」の略称です。事業を通じて食や健康、地球環境の課題を解決し、社会的な価値と企業の経済的利益を両立させる経営哲学を指します。
まとめ:食と健康の未来をつなぐ「イートウェル リブウェル」の約束
日常のふとした瞬間に耳にする「イートウェル リブウェル」という言葉には、100年以上前に一人の科学者が抱いた「日本人の栄養を改善したい」という純粋な願いと、現代の地球環境や健康課題に向き合う先端科学の挑戦が凝縮されています。
ただおいしいものを提供するだけでなく、食べる人の人生をすこやかに整え、食卓を囲む喜びを未来へとつないでいく。耳馴染みのあるその合言葉の背景を知ることで、毎日の食事やキッチンに並ぶ調味料への見え方が、より味わい深く温かなものへと変わるはずです。 (出典: イート ウェル リブウェル(Yahoo!ニュース))