親が亡くなった時は何日休む?実親・義親の日数相場と連絡マナー
最愛の親との別れは、ある日突然訪れます。深い悲しみや動揺の中でも、遺族には葬儀の手配や親族への連絡、行政手続きなど、怒涛のような実務が待っています。その渦中で多くのビジネスパーソンが頭を悩ませるのが、「会社は何日休めるのか」「いつ、誰に、どう連絡すべきか」という現実的な問題です。
忌引休暇(慶弔休暇)は法律で一律に義務付けられた制度ではなく、勤務先の就業規則によって日数や給与の扱いが大きく異なります。実親と義親での日数の違い、土日祝日の数え方、連絡のテンプレートから休暇取得に必要な証明書類まで、急な不幸に直面した際に迷わず判断できるよう、実務に即した最新のルールを分かりやすく解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:実親が亡くなった場合の忌引休暇は「5日〜7日間」、義親(配偶者の親)の場合は「3日間」が一般的な相場。
- 要点2:忌引休暇は労働基準法上の「法定休暇」ではないため、有給か無給か、土日を日数に含める(暦日計算)かは会社の就業規則によって異なる。
- 要点3:日数が足りない場合は有給休暇の併用が可能。第一報は速やかに上司へ連絡し、後日「会葬礼状」や「死亡診断書」などの証明書を提出する。
【2026年最新基準】親が亡くなった時の忌引休暇は何日?実親と義親の違いを徹底比較
親が亡くなった際、何日休めるのかの基準は「実親(実の親)」か「義親(配偶者の親)」か、さらに「自分が喪主を務めるかどうか」によって日数が変動します。
厚生労働省のモデル就業規則や主要企業の規定、人事院規則(公務員規定)を総合すると、親の死亡に伴う忌引休暇の一般的な日数は以下の通りに定められているケースが多数を占めます。
| 対象の続柄・立場 | 民間企業の平均日数 | 国家・地方公務員の日数 | 備考・付加条件 |
|---|---|---|---|
| 実親(実父・実母) | 5日〜7日 | 7日 | 喪主を務める場合は+2〜3日加算される企業もある |
| 義親(配偶者の実父・実母) | 3日 | 3日(同居時は7日) | 同居・別居の有無で日数が分かれる規定が多い |
| 自分が喪主を務める場合 | 7日〜10日 | 規定日数+有休対応 | 葬儀の手配や各種行政手続きで日数を要するため |
| 遠方への移動を伴う場合 | 往復移動日を別途付与 | 実日数に応じた移動日加算 | 「移動に要する往復日数を加算」とする規定が存在 |
実親の場合は、通夜・告別式への参列だけでなく、役所での死亡届提出、火葬、遺品整理などの初動対応が重なるため、5日から7日程度の休暇が付与されるのが一般的です。一方で義親の場合は、配偶者のサポートや参列が中心となることが想定されるため、3日間程度と短めに設定される傾向があります。
公務員(国家公務員・地方公務員)の場合は人事院規則等に基づき、実父母の死亡時は7日、配偶者の父母の死亡時は3日(生計を一にしていた同居親の場合は7日)と厳格に明文化されています。

土日祝日はカウントされる?忌引休暇の「数え方」と知っておくべき落とし穴
忌引休暇を取得する際、最もトラブルになりやすいのが「土日や会社の公休日を日数に含むかどうか」という点です。ここには「暦日(れきじつ)計算」と「労働日計算」という2つの数え方が存在します。
「暦日計算」を採用している会社では、土日祝日に関わらずカレンダー通りの連続した日数としてカウントされます。例えば、金曜日に実親が亡くなり「5日間の忌引休暇」を申請した場合、金・土・日・月・火で休暇が終了し、水曜日には出社しなければなりません。この場合、本来の休日である土日も休暇日数として消費されてしまいます。
一方、「労働日計算」を採用している会社では、就業規則上の所定労働日のみをカウントするため、金曜日に取得した場合は土日を除外して金・月・火・水・木の5営業日を休むことができます。
また、休暇のカウントが「死亡当日」から始まるのか、「死亡の翌日」や「葬儀の当日」から起算できるのかも会社ごとに異なります。遠方の実家へ急行しなければならない場合は、移動日を含めてどのような起算になるのかを上司や総務人事担当者に速やかに確認することが肝要です。
【文例あり】親が亡くなった際の職場への報告タイミングと連絡マナー
親が亡くなった際、職場への第一報は「亡くなった直後、判明した時点ですぐ」に入れるのが原則です。早朝や深夜であっても、取り急ぎメールやビジネスチャット(Slack、Teams、LINE WORKSなど)で一報を入れ、始業時刻前後に改めて電話を入れるのがスマートな対応です。
連絡の際、会社側が把握したい必須項目は以下の5点です。
- 誰が亡くなったのか(続柄):実父、実母、義父、義母など
- いつ亡くなったのか(逝去日時):休暇の起算日を算出するため
- 通夜・告別式の日程と場所:会社からの弔電、供花、参列の手配判断
- 香典や弔問の辞退有無:家族葬など外部の参列を辞退するかどうか
- 休職予定期間と緊急連絡先:不在時の業務引き継ぎと緊急時の連絡手段
【文例1】上司へ送る緊急メール・ビジネスチャット(第一報)
件名:【緊急連絡】実父逝去に伴う忌引休暇取得のお願い(営業部 山田太郎)
〇〇部長
お疲れ様です。営業部の山田です。
大変私事ではございますが、本日未明、かねてより療養中でした実父(山田 一郎)が他界いたしました。
つきましては、葬儀の準備および諸手続きのため、下記の通り忌引休暇をいただきたく存じます。
【休暇予定期間】
2026年〇月〇日(月)〜 〇月〇日(金)計5日間(予定)
【通夜・告別式】
日程・場所ともに現在調整中ですので、決まり次第改めてご報告いたします。
(※家族葬にて執り行いますので、誠に勝手ながらご香典・ご供花・ご弔問の儀はご辞退申し上げます)
【業務の引き継ぎ・緊急連絡先】
進行中の〇〇案件につきましては、〇〇さんに概要を共有し引き継ぎを進めております。
緊急の連絡がございましたら、私の携帯電話(090-XXXX-XXXX)または本メール宛にご連絡いただけますと幸いです。
急な連絡で大変ご迷惑をおかけいたしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
【文例2】日程確定後の詳細連絡メール
件名:【詳細連絡】葬儀日程および休暇期間の確定について(営業部 山田太郎)
〇〇部長
お疲れ様です。営業部の山田です。
過刻ご連絡いたしました実父の葬儀日程が確定いたしましたので、詳細をご報告申し上げます。
【通夜】2026年〇月〇日(火)18:00〜
【告別式】2026年〇月〇日(水)10:00〜
【場所】〇〇斎場(住所:東京都〇〇区〇〇1-2-3 / 電話:03-XXXX-XXXX)
【喪主】山田 太郎(続柄:長男)
予定通り〇月〇日(月)から〇月〇日(金)まで忌引休暇を頂戴し、〇月〇日(月)より出社いたします。
ご不在中、皆様には多大なご不便をおかけいたしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

パート・アルバイトの適用と有給併用・提出書類のルール
忌引休暇を取得するにあたって、雇用形態の違いや日数が足りない場合の対処法、必要書類について把握しておくべきポイントを整理します。
パート・アルバイトや契約社員でも忌引休暇は取れる?
忌引休暇は法律上の義務ではないため、非正規雇用(パート・アルバイト・契約社員)に適用されるかどうかは就業規則の定め次第です。正社員には有給の慶弔休暇が用意されていても、パート・アルバイトには適用されない、あるいは「無給の休暇」として認められるケースがあります。
ただし、近年推進されている「同一労働同一賃金」の観点から、正規・非正規の不合理な待遇格差を是正する企業が増加しています。パート・アルバイトの方で忌引規定がない、または無給である場合は、自身が保持している年次有給休暇を利用して休むのが一般的です。
忌引休暇は「有給」か「無給」か?足りない時は有給休暇を併用
一般的な民間企業では、忌引休暇を有給(給与が減額されない)とする企業が約7〜8割を占めますが、無給とする企業も決して珍しくありません。
また、「実親の葬儀や相続手続き、実家の片付けで5日間ではどうしても足りない」というケースは頻繁に起こります。その際は、忌引休暇に年次有給休暇を連続して組み合わせる(有休併用)ことが労働者の正当な権利として認められています。上司や人事に「忌引休暇5日に加え、有給休暇を3日追加して計8日間休みたい」旨を事前に相談しておくとスムーズです。
会社への申請方法と必要な証明書類
多くの会社では、口頭やメールでの連絡後に「慶弔休暇届」などの社内申請書を提出します。その際、不正取得を防ぐ目的で事実関係を証明する書類の提出を求められます。
- 会葬礼状(かいそうれいじょう):葬儀の参列者に渡される礼状。故人名、喪主名、葬儀日程が記載されており、最も一般的な証明書類。
- 死亡診断書(死体検案書)のコピー:医師が発行する書類。役所に原本を提出する前にコピーを取っておくと役立ちます。
- 火葬許可証・埋葬許可証のコピー:役所から発行される書類。
- 葬儀社の領収書・施行証明書:家族葬などで会葬礼状を作らなかった場合に有効。
【実態検証】突然の親の死に直面した現場のリアルと業務復帰マナー
親の訃報を受けた現場では、どのような現実が待ち受けているのでしょうか。実際に親を看取ったビジネスパーソンの証言やコミュニティの体験談を検証すると、多くの人が「想像を絶する手続きの量と時間不足」に直面しています。
現代の葬儀は「家族葬」や「一日葬」などコンパクト化が進んでいるものの、葬儀が終わった瞬間に役所での戸籍手続き、年金受給停止、健康保険証の返却、公共料金や銀行口座の解約・名義変更、準確定申告、実家の整理など、膨大なタスクが押し寄せます。「5日間の忌引休暇など一瞬で消え去った」という声は後を絶ちません。
こうした実態から、多くの経験者が「葬儀の段階で無理に完璧を目指さず、親族で役割を分担すること」「職場にはあらかじめ『忌引明けに半休や有休をスポットで取得する可能性がある』と伝えておくこと」の重要性を指摘しています。
職場復帰時の挨拶と気遣い
忌引休暇を終えて出社した際は、不在中に業務をカバーしてくれた上司や同僚への挨拶が欠かせません。朝一番に「急な不幸で長期のお休みをいただき、業務をフォローしていただき本当にありがとうございました。本日より復帰いたしますので、よろしくお願いいたします」と直接感謝を伝えます。
個包装の菓子折り(日持ちする焼き菓子など)を持参し、「皆様で召し上がってください」と言葉を添えて休憩スペース等に置くのが一般的なビジネスマナーとして定着しています。

【プロの結論】「グリーフケア」と仕事の境界線をどう保つべきか
家族社会学と心理的アプローチから見る休暇の重要性
親の死は、人間関係における最も根源的な喪失の一つです。心理学では、大切な人を亡くした際の悲嘆プロセスを「グリーフワーク」と呼びます。強いショックや否認、怒り、深い抑鬱を経て、徐々に現実を受け入れていく精神的な回復には相応の時間がかかります。
日本の企業文化では長年、「職場に迷惑をかけてはならない」「早く日常に戻らなければ」と感情を押し殺して即座に仕事に没頭する姿勢が美徳とされがちでした。しかし、心理的バウンダリー(境界線)を無視して無理なプレッシャーを自身にかけると、後から激しいバーンアウト(燃え尽き)や心身の不調を引き起こすリスクが高まります。
【プロの結論】しっかり休むべき状況・早めに職場復帰すべき状況の判断基準
どのような選択が最善であるかは、本人の置かれた状況や精神状態によって異なります。以下の判断基準を参考に、自身のメンタルと業務のバランスを調整してください。
- 有休を足してでも長めに休むべき人:
- 自分が「喪主」または「遺品整理・相続の主導者」であり、実務が集中している場合
- 遠方に実家があり、親族間での話し合いや家の片付けに物理的拘束が生じる場合
- ショックが激しく、集中力の低下や不眠など日常生活に支障が出ている場合(無理に出社すると業務事故の原因になります)
- 規定の日数で計画的に復帰した方が良い人:
- 他の家族が喪主を務めており、当面の行政手続きが分担できている場合
- 「一人で家にいると余計に落ち込んでしまうため、仕事のルーティンに身を置くことで精神的な安定を保ちたい」と感じる場合
【親が亡くなった時は何日休むか】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:義理の親(配偶者の親)と同居していない場合でも忌引休暇は取れますか?
A1:取得可能です。多くの会社の就業規則では、同居・別居を問わず義親の逝去に対して「3日程度」の忌引休暇を定めています。ただし、会社によっては「同居している場合は7日、別居の場合は3日」のように同居の有無で日数に差を設けている規定もありますので、社内規定をご確認ください。
Q2:忌引休暇中に給料は出ますか?それとも無給ですか?
A2:会社によって異なります。厚生労働省の調査によると、約7割以上の企業が有給(通常の賃金が支払われる)としていますが、就業規則に「忌引休暇は無給とする」と定められている企業も存在します。無給の場合は、年次有給休暇に振り替えて取得することで給与の減額を防ぐことができます。
Q3:家族葬や直葬(火葬のみ)で行う場合でも忌引休暇は取れますか?
A3:問題なく取得できます。忌引休暇は「親が亡くなった事実」に対して付与されるものであり、葬儀の規模や形式(一般葬・家族葬・一日葬・直葬など)によって権利が左右されることはありません。会社への報告時には「家族葬のためご香典・弔問は辞退する」旨を添えておくと配慮が行き届きます。
Q4:会葬礼状を作成しない家族葬の場合、会社への証明書は何を出せばいいですか?
A4:医師が発行した「死亡診断書(死体検案書)のコピー」、役所から交付された「火葬許可証・埋葬許可証のコピー」、あるいは葬儀会社が発行する「葬儀施行証明書」や「領収書」を提出すれば、会葬礼状の代用として認められます。
まとめ:迷ったらまず就業規則を確認し、無理のない休暇計画を
親が亡くなった時の忌引休暇は、実親で5日〜7日、義親で3日が基本的な目安です。しかし、土日の扱い(暦日か労働日か)や有給・無給の区分、起算日などは企業ごとの就業規則によって細かく規定されています。
急な訃報に動揺するのは当然のことです。まずは直属の上司へ第一報を入れ、現在の状況と予定を簡潔に伝えた上で、会社のルールを確認しましょう。葬儀や諸手続きで日数が不足する場合は、有給休暇を柔軟に併用しながら、心身に過度な負担をかけないよう適切なスケジュールを組むことが何よりも大切です。 (出典: 親 が 亡くなっ た 時 何 日 休む(Yahoo!ニュース))