韓国スラム街のトイレ事情と衛生格差|九龍村・チョッパン村の現場実態

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韓国スラム街のトイレ事情と衛生格差|九龍村・チョッパン村の現場実態
韓国スラム街のトイレ事情と衛生格差|九龍村・チョッパン村の現場実態
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🎵 韓国スラム街のトイレ事情と衛生格差|九龍村・チョッパン村の現場実態

世界的な情報技術都市として発展を極め、K-POPや洗練されたカルチャーで国際的な脚光を浴びる韓国・ソウル。しかし、きらびやかな高層タワーが立ち並ぶ江南(カンナム)の目と鼻の先や、ソウル駅至近の路地裏には、半世紀前の面影を残す巨大な貧困地区が今なお取り残されています。その現場で住民たちが直面している最も過酷な日常の障壁が、「排泄と衛生」をめぐる基本インフラの欠落です。

とりわけソウル最後の巨大スラムと称される「九龍村(クルリョンマウル)」や、都心部に点在する極小住宅街「チョッパン村(チョッパンチョン)」におけるトイレ事情は、都市開発の陰で不可視化されてきた深刻な人権・公衆衛生課題を浮き彫りにしています。本稿では、2026年現在の現地インフラ、再開発に伴う立ち退き問題、そして現場に潜む構造的危険性について、報道資料や現地調査データを基に詳細にレポートします。

📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
  • 要点1:九龍村やチョッパン村では個別水洗トイレがほぼ存在せず、数十世帯が劣悪な汲み取り式や仮設の共同トイレを共有している。
  • 要点2:上下水道網の未整備により、冬期は氷点下15度での配管凍結、夏期は汚水臭と感染症リスク、さらには頻発する火災の脅威に晒されている。
  • 要点3:2026年現在進む再開発計画と立ち退き補償の対立の陰で、自力移転が困難な高齢貧困層の「住居と尊厳の維持」が限界を迎えている。

【現場ルポ】韓国スラム街のトイレ事情と過酷な衛生環境の実態

大都市ソウルの華美な景観から一歩足を踏み入れると、そこには異次元の光景が広がっています。韓国のスラム街におけるトイレ事情は、日本を含む先進諸国の都市生活者が想像する水準を遥かに下回る過酷な環境に置かれています。多くの住居には専用の給排水設備が存在せず、ベニヤ板や波トタンで囲われただけの屋外共同トイレに依存せざるを得ないのが日常です。

現場取材や市民団体の報告によると、ひとつの共同トイレを20世帯から50世帯以上で共用するケースは珍しくありません。設備の大半は旧式の汲み取り式、あるいは簡易浄化槽を地下に埋設しただけの構造であり、水洗化されていない便所では排泄物がそのまま溜め置かれます。夏場になれば耐え難い悪臭とハエ・蚊などの害虫が猛烈に発生し、冬場にはソウル特有の厳しい寒波(氷点下10度〜15度)によって汚物が凍結し、物理的に使用不能に陥る事態が毎冬繰り返されています。

さらに深刻なのは、手洗い用の水道設備すら併設されていない点です。住民は自宅からポリタンクやバケツで汲んできた水を持参して流すか、共同水栓まで移動して手を洗わなければなりません。こうした九龍村の衛生環境の不全は、感染症の温床となるばかりか、高齢者や障がいを持つ住民の身体に極めて重い身体的負担を強いています。

当時のメディア報道・掲載写真
【検証資料 1】当時のメディア報道・掲載写真(出典:朝日新聞デジタル)

江南の超高層ビル影に沈む「九龍村」と都心「チョッパン村」の断絶

韓国の都市貧困層が集住するエリアは、その立地や成り立ちによって大きく2つの形態に分類されます。江南の超高級タワーマンション群「タワーパレス」の道路を挟んだ向かい側に位置する九龍村(クルリョンマウル)と、ソウル駅前や永登浦(ヨンドゥンポ)、東子洞(トンジャドン)、鍾路区敦義洞(ドニドン)などに位置するチョッパン村(チョッパンチョン)です。

九龍村は、1980年代後半のソウル五輪開催に伴う都有地・都有林の都市美化・強制立ち退きによって住処を追われた人々が不法占拠の形で住み着いたことで形成されました。私有地や国公有地が複雑に入り組む無許可バラック集落であるため、行政による正規の上下水道整備が法的に制限されてきました。そのため、江南スラム街のトイレは現在も、仮設便所や住民自作の汲み取り式便所が密集家屋の隙間に点在する状態が続いています。

一方、都心部に広がるチョッパン村の実態は、わずか1坪(約3.3平米)前後の極小部屋が蜂の巣のように並ぶ簡易宿泊街です。かつて日雇い労働者や低所得層の受け皿となってきたこれらの木造建築では、1フロアに10〜20室が密集しながら、トイレはフロア全体で和式(アジア式平折便器)が1箇所のみというケースが標準的です。男女の区別がなく、鍵が壊れたまま放置されていることも多いため、女性住民のプライバシーや防犯上の不安は極限状態に達しています。

また、歴史的に傾斜地の斜面に自然発生した「月の街」と呼ばれるタルトンネのトイレ事情においても、急勾配ゆえにバキュームカーの進入が難しく、衛生インフラの更新が半世紀近く停滞してきた経緯があります。

【データ比較】韓国貧困層の住宅形態とインフラ格差の検証

大都市ソウルにおける住居形態ごとの衛生設備・インフラ保有状況を比較すると、富裕層・中間層が暮らす近代的高層マンションと、貧困層が身を寄せるスラム集落との間に、埋めがたい格差が存在することが客観データから浮かび上がります。

住宅形態・エリアトイレ・衛生設備の仕様水道・下水道インフラ編集部の見解・評価
一般集合住宅
(ソウル市内マンション)
住戸内個別水洗トイレ(温水洗浄便座・浴室直結が標準)公設上下水道直結・高度集中処理システム完備世界最高水準の快適性と衛生管理が担保されている。
九龍村(クルリョンマウル)
(江南区・無許可バラック集落)
屋外共同トイレ(汲み取り式・仮設プラスチック製が中心)本管接続なし・露出配管による共同水栓(冬期頻繁に凍結)都市の超一等地隣接でありながら公衆衛生の完全な空白地帯。
チョッパン村(東子洞・永登浦)
(都心部・極小集合住宅)
フロア共用水洗/簡易水洗(10〜20室で1箇所、男女共用)老朽単管接続・排水不良や水圧不足が常態化最低居住基準を大幅に下回り、高齢者の排泄事故が多発。
半地下住宅(パンジハ)
(映画等で知られる低地住宅)
住戸内個別水洗(下水本管より低いため一段高い段差上に設置)公設下水道接続だが集中豪雨時の逆流・浸水リスク極大個別設備はあるものの、気候変動下の都市災害に極めて脆弱。
活動歴および当時の関連ビジュアル記録
【検証資料 2】活動歴および当時の関連ビジュアル記録(出典:i.ytimg.com)

衛生崩壊だけではない|火災・凍結・犯罪に晒されるスラム街の危険性

韓国スラム街の危険性は、単なる衛生管理の不備にとどまりません。インフラの破綻は、住民の生命を直接脅かす複合的な災害リスクと直結しています。

最大の脅威が頻発する大規模火災です。九龍村の住家は、合板、断熱材のスチロール、防水用のアスファルトルーフィングやビニールシートといった可燃性素材で隙間なく建て増しされています。暖房設備として現在も練炭(ヨルタン)ストーブや旧式電気ヒーターが多用されており、劣悪な仮設配線のショートや火の不始末が瞬時に大火へと拡大します。2023年1月の大規模火災では約500人が避難を余儀なくされ、その後も小規模な火災が断続的に発生しています。狭隘な通路に共同トイレやプロパンガスボンベが乱立しているため、消防車の進入が阻まれ、初期消火は困難を極めます。

第二の危機は、極寒期の凍結による生活機能の完全麻痺です。韓国スラム街の水道下水道は地中深く埋設されておらず、地上に露出した塩ビパイプを布で巻いただけの簡易配管が多くを占めます。零下の日が続くと配管内の汚水や給水が完全に氷結し、トイレが使用不能になります。住民は厳寒の中、数百メートル離れた公園の公衆トイレを探して歩くか、室内でビニール袋やバケツに排泄せざるを得ない極限状況に追い込まれます。

さらに、照明設備が乏しく死角の多い屋外共同トイレ周辺は、夜間における防犯上の盲点となっています。住民の過半数を65歳以上の独居高齢者や生活保護受給者が占める中、夜間の転倒事故や不審者の侵入といったリスクが常に隣り合わせとなっています。

【2026年最新】ソウルスラム街再開発の現在地と立ち退きをめぐる攻防

長年にわたり膠着状態が続いてきたソウルスラム街の再開発は、現在大きな転換期を迎えています。ソウル市およびSH公社(ソウル住宅都市公社)は、九龍村エリアを全面買収・収容し、近代的な公共賃貸住宅および分譲マンション群へと転換する都市開発事業を推進しています。

しかし、九龍村の立ち退き現在の状況は決して平坦ではありません。最大の対立軸は「居住権の補償内容」です。行政側は不法占拠地であることを理由に、公的賃貸住宅への特別入居権や一定の移転費支給を提示していますが、住民自治会側は「分譲住宅の優先特別供給(安価な購入権)」や「生活再建に足る補償金」を求めて法廷闘争や抗議行動を展開してきました。

行政側が土地収用手続きを進める一方で、仮移転先となる賃貸住宅の管理費や光熱費を自力で支払えない極貧層の高齢者たちは、「ここを追い出されればホームレスになるしかない」と立ち退きを拒み続けています。この対立の長期化により、行政は「再開発予定地への恒久インフラ投資」を躊躇し、住民は「劣悪な共同トイレと倒壊の危険に耐えながら籠城する」という悲劇的な膠着状態が固定化されてきました。

近年では人道的観点から、一部の支援団体や区庁によって移動式バイオトイレの設置や温水シャワーコンテナの導入といった応急措置が試みられているものの、根本的な解決には程遠いのが実情です。

公の場での発言・インタビュー報道記録
【検証資料 3】公の場での発言・インタビュー報道記録(出典:朝日新聞デジタル)

一般に知られていない盲点とネットの誤解|興味本位の訪問が招くトラブル

SNSや動画配信プラットフォームの普及に伴い、韓国のスラム街やタルトンネを「レトロな映えスポット」「ディープな裏観光地」と誤認して立ち入る外国人観光客が後を絶ちません。しかし、ここには重大な認識の齟齬が存在します。

釜山(プサン)の「甘川文化村(カムチョン・ムナマウル)」のように、観光地として整備・公認され水洗トイレや案内所が完備されたアートビレッジとは異なり、九龍村やチョッパン村は「現在進行形で困窮者が命を繋いでいるプライベートな居住区域」です。

【訪問・取材に関する判断基準:関わるべき人と避けるべき人】

  • 立ち入りを厳に避けるべき人:
    • 「ダークツーリズム」「SNSのネタ探し」感覚の一般旅行者や配信者
    • 住民の生活動線や共同トイレなどを無断で撮影しようとする者
    • 迷路のような木造密集地での防災・避難リテラシーを持たない個人
  • 例外的に関与が認められるケース:
    • 現地の公認NGO・宗教ボランティア団体(練炭配達や炊き出し支援)の正式な同伴活動
    • 大学・研究機関による都市社会学・貧困問題の学術調査(自治会の事前承諾が必須)
    • 人権擁護および政策提言を目的とした公式な報道取材

住民にとって、共同トイレへの往来は極めて私的で無防備な生活行動です。そこにカメラを向けられることは著しいプライバシー侵害であり、深刻な住民トラブルや警察への通報事案に発展するケースが多発しています。興味本位の侵入は厳に慎むべきです。

【プロの結論】都市空間社会学から読み解く「排泄の権利」と不可視化された貧困

韓国のスラム街におけるトイレ問題は、単なる土木インフラの遅れではなく、近代都市における「空間的分断(Spatial Segregation)」と「人間の尊厳の序列化」という根源的な構造問題を突きつけています。

都市社会学において、デイヴィッド・ハーヴェイが提唱した「都市への権利(Right to the City)」に照らせば、都市インフラへのアクセス権はすべての居住者に普遍的に保障されるべき基本的権利です。とりわけ安全かつ衛生的な排泄環境の確保は、国際連合が掲げるSDGsの目標6「安全な水とトイレを世界中に」に直結する生存のミニマム条件です。

しかし、韓国社会が高度経済成長を遂げる過程で、私有財産権の論理と都市再開発の経済合理性が最優先された結果、「無許可の土地に住む者にはインフラを整備しない」という行政原則が長年維持されてきました。これにより、韓国貧困層の住宅事情は自己責任論の枠組みに押し込められ、排泄という人間の最も基礎的な生理現象すらもが「不可視化された懲罰」のように放置されてきた側面は否定できません。

超高齢社会を迎えた韓国において、OECD加盟国中ワーストクラスの高齢者貧困率(約40%)が示す構造的歪みは、まさにこの共同トイレの列に並ぶ高齢者たちの姿に凝縮されています。再開発による物理的な建物の刷新だけでなく、そこに暮らしてきた人々が尊厳を失わずに定着できるセーフティネットの再構築こそが、現代都市に課された喫緊の課題です。

【韓国 スラム 街 トイレ】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:九龍村のトイレは現在もすべて汲み取り式なのですか?
A1:大半が汲み取り式や簡易浄化槽式、または仮設プラスチック便所です。公設下水道本管に接続された近代的水洗トイレは集落内には基本的に存在せず、住民は水を持参して流すなどの対応を強いられています。

Q2:チョッパン村の共同トイレの清掃や管理は誰が行っているのですか?
A2:建物の管理人(大家)または住み込みの住民当番が掃除を行う規定になっているケースが多いものの、管理が行き届かず著しく不潔な状態のまま放置されている場所も少なくありません。一部では自治体や福祉団体の支援員が定期清掃を行っています。

Q3:なぜソウル市や政府はスラム街に上下水道を引いてあげないのですか?
A3:スラムの多くが無許可建築物(不法占拠地)であり、公費を投じて正規の上下水道を敷設すると「不法占拠を公的に追認した」という法的な矛盾や土地所有者との権利関係が生じるためです。そのため行政支援は給水車や移動式仮設便所などの緊急支援にとどまってきました。

Q4:韓国旅行中にスラム街のトイレ事情を見学・撮影しに行くことはできますか?
A4:推奨されません。観光地ではなく住民の私的な生活空間であり、無断撮影や興味本位の立ち入りは深刻な人権侵害およびトラブルの原因となります。火災や倒壊のリスクも高く、一般旅行者の訪問は厳に控えるべきです。

まとめ:華美なメガシティの影で問われる基本的インフラと人間の尊厳

ソウルの急成長と経済的成功の裏側で、半世紀にわたり取り残されてきた九龍村やチョッパン村のトイレ問題。それは単なる設備の古さではなく、都市の急速な発展過程で生じた格差と法制度の狭間に人間が置き去りにされてきた証跡です。

2026年現在、再開発計画の進展によってこれらのスラム集落は姿を消しつつありますが、そこに暮らす高齢貧困層の生活再建と公衆衛生の確保は、依然として完結していません。華やかな都市の表層だけでなく、その土台にある「すべての人の生存と尊厳を支えるインフラとは何か」という問いを、現場の厳しい実態は静かに投げかけています。 (出典: 韓国 スラム 街 トイレ(Yahoo!ニュース)

韓国 スラム 街 トイレ
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